厨二とは

本日の稽古には、映像スタッフの文目くんも参加してくれました。

と言っても、やっているのは相変わらず、セリフを棒読みで覚える作業です。
なので、文目くんが稽古に参加できる状況には、今の所、まだなっていません。
ただ、文目くんはとても楽しそうに、出演者たちがセリフを覚えられなくて苦しんでいる様子を眺めていました。
というのも、文目くんは今回映像担当ですが、大体2mmの作品には過去何度か出演しており、同様の作業をすでに経験済みだからです。
「自分がセリフを覚えなくていい時って、こんなにも楽しく参加できるものなんですね」と、余裕しゃくしゃくで出演者たちを煽り、みずきくんと打ち合わせながら、持参したPCで動画を生成していました。

さて、棒読みで覚える作業も、二時間を過ぎた頃には効率が落ちてくるので、みずきくんが趣向を変え、1シーン、演出をつけることになりました。

「このシーンでは、みんな、“厨二病”を患ってほしい」

この指示を受けて、藤王と德ちゃんは、意図を理解できたようですが、飯野さんは、ポカンとしていました。
私にも、“厨二病”を患う、という言葉からイメージできるモノがあるのですが、それは、過去に摂取してきた他作品から、“厨二的な何か”が像を結んでいるからであり、飯野さんにはどうやら、その蓄積が少ないようです。たしかに、「好きな俳優はジャッキー・チェン」と公言して憚らない飯野さんが、“厨二的要素”の多い作品を通ってこなかったのもうなずけます。派手なアクションを繰り広げるジャッキー・チェンはすぐにイメージできますが、“厨二病”を患ったジャッキー・チェンは、ちょっとイメージできません。
そこでみずきくんが、飯野さんにも理解できるよう、“厨二”の説明を始ました。

「――俺にはさ、おでこに“第3の目”があって、コイツで“視る”ことで、普通では見ることのできないモノを“視る”ことができる。がしかし、幼稚園に入園する前の日に自ら封印した。危険だからだ! こんなパワー(アニマ)を有している俺が、福岡県は北九州市に存在していることを知られてしまったら、世界中がパニックに陥ってしまう……けれど最近、40年の時を経て、おでこが、閉じたままの“第3の目”がうずきやがる……彼奴(きゃつ)を、“視ろ”と叫んデいル! ……そろそろ潮時かもしれない。日常パートは終わり、バトルパートへの突入……俺の、“力”と書いて“アニマ”を、世の中に知らしめる時が来たようだっ!―― みたいな感じ」
飯野さんは、ポカンとしていました。

果たして本番、飯野さんは“厨二”を理解し、みごと演じ切ることができるのか――乞うご期待!

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飯野智子演劇生活30周年記念公演
大体2mm『迷惑』
作:藤原達郎 演出:藤本瑞樹

日程:6月29日(土)14:00/18:00★パーティー回
     30日(日)14:00
会場:J:COM北九州芸術劇場 小劇場

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クラウドファンディングも実施中です。
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