迷惑日誌2

藤本です。『迷惑』ができるまで書かせていただきます。

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実質的な稽古初日。

ここ最近の大体2mmでは、稽古初日の冒頭に「ハラスメントについての考え方」を話すようにしている。簡単に言うと「演出というのは創作上どうしても強い立場になるので、嫌だなと思うことも指示するかもしれない。それが創作上適当と思えないときは拒んでくれて構わないし、直接言いにくかったら他のひと経由で伝えてくれても構わない」と開示している。こういうのは「気をつける」では何の解決にもならんので、方針を全員で共有して、全員で取り組むしか(今のところ)方法がないと思っている。自分では「無い」と思ってても存在するのが権力。「自制」は何の解決にもならんのですわ。

それ以外にも最初に決めておいた方がよいことなどを決め、伝え、相談してから稽古に入る。

初日なので、ウォーミングアップというか、全員の交流的なことに時間を多めに割く。「ナンジャモンジャ」というカードゲームに取り組んでみる。ゲームというよりコミュニケーションとしておもしろかった。なぜかキコさんが異様に強い。

稽古途中から、演出助手にお招きした本村彩乃さん(あやのちゃん)も合流。みんなで再度「ナンジャモンジャ」。これ1日に2回やるもんじゃねえな。

ゲームもしましたし、じゃあ、例の、あれ、覚えますかね……といった感じで台詞覚えに移る。

大体2mmでは、初めに5〜8回程度の「台詞を覚えるための稽古」というものを行う。読んで字の如く、ただ台詞を覚えるためだけの稽古。短く区切った塊をひたすら読み、覚えたかなというタイミングで台本を見ずに台詞を言う。それを3〜4時間繰り返すというもの。この期間がはっきり言って地獄で、毎回稽古後に目がかすむ。

それに加えて2年前の『水曜日の男』からは、この台詞を棒読みで覚えてもらうようにしている。もうほんと修行。でもここをきちんとやっておけば、後半の動きに専念するパートが驚くほど早く片付いていく。

棒読みで覚えるのは、それを基準とするためだ。毎回気持ちに応じた抑揚で読むと、なにがベースか定まらず、極端な話、毎回どう読んでも正解と言えば正解、不正解と言えば不正解になる。そうではなく、まずは棒読みをゼロベースとして、ここからどのくらいジャンプするか/しないかで、台詞の読み方の正解を決めましょうね、というのが最近のやり方になっている。

4ページまで覚えて終了。この台本、45ページくらいあるんですよ。11倍。